宅地建物取引士って何?不動産業界では引く手あまたです。
世の中には数多くの資格がありますが、持っていると就職や転職に有利だと言われる資格の1つに、宅地建物取引士というものがあります。
略して宅建と呼ばれることが多いですが、合格率が低い難しい資格という印象がありますよね。
でも、宅地建物取引士とは具体的に何をする仕事なのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、宅地建物取引士の概要について説明します。
宅地建物取引士とは
宅地建物取引士とは、不動産の取引に関する国家資格の1つです。い
わゆる宅建試験と呼ばれる資格試験に合格した人だけが、宅地建物取引士になることができます。
土地や建物などの不動産取引においては、お客が不利な契約を結ばされることがないように、専門知識をわかりやすく説明する人が必要です。
それが宅地建物取引士で、不動産会社では従業員5人につき、1人以上の宅地建物取引士を置かなければなりません。
宅建試験の難易度
宅地建物取引士になるために避けて通れない宅建試験は、毎年10月に行われます。
合格率は15%程度と低く、確実に知識を身につけないとまず受かりません。
受験のチャンスも年に1回しかないので、計画的に学習を進めましょう。
試験に合格するだけでは宅地建物取引士にはなれない
宅建試験に合格したら、受験した都道府県で登録申請を行い、宅地建物取引士証の交付を受ける必要があります。
この登録申請には2年以上の実務経験が必要です。
実務経験年数が足りない場合は、登録実務講習を受講することになります。
なお、宅地建物取引士証は5年ごとに更新手続きが必要なので、忘れずに更新しましょう。
宅地建物取引士になるとできる業務
不動産会社の業務の中には、宅地建物取引士にしかできないものがいくつかあります。
重要事項の説明
不動産の取引は動くお金も高額なので、契約前の客に対して十分な説明が必要になります。
土地や建物の権利者や制約条件など、契約を判断するにあたって知っておくべき重要事項の説明は、宅地建物取引士だけができる業務です。
重要事項の説明を行う際には、宅地建物取引士証を提示するよう、法律で義務付けられています。
重要事項説明書の記名・押印
重要事項の説明をする際には、内容を書面にまとめた重要事項説明書を客に交付して、説明しなければなりません。この書面には、必ず宅地建物取引士の記名と押印が必要です。
契約書の記名・押印
重要事項の説明に客も納得したら、いよいよ契約です。
宅地建物取引士が、契約書の内容に間違いがないかを確認したうえで記名と押印をし、ついに契約成立となります。
宅地建物取引士の資格を取得するメリット
不動産の売買や賃貸の契約を結ぶ際に必要な重要事項の説明は、宅地建物取引士でなければできません。
そのため、不動産業界における宅地建物取引士のニーズは常に高く、就職や転職にも有利に働くことがほとんどです。
また、多くの不動産会社では宅地建物取引士に対して資格手当の支給があるため収入が増えますし、さらなるキャリアアップを狙うこともできます。
不動産業界以外でも役立つ
たとえば、建築業界の一部の会社では、ただ建物を建築するだけではなく、自ら販売することもあります。
建物の売買契約を完結させるには、宅地建物取引士が不可欠なので、資格を持っていると重宝されるでしょう。
また、金融業界でも宅地建物取引士の資格が役立ちます。
なぜなら、融資の判断をする際に、担保となる不動産の価値を正しく見積もる必要があるからです。そのため、宅地建物取引士としての知識を存分に活かすことができます。
宅地建物取引士って何?不動産業界では引く手あまたです。【まとめ】
不動産の取引の中には、宅地建物取引士にしかできない独占業務があります。
そのため、不動産業界での活躍を目指す方はもちろん、その他の業界で不動産に関する仕事をしている方も、宅地建物取引士の資格を取得するのがオススメです。
難しい試験ですが、きちんと学習すれば独学でも合格できます。
ぜひ、宅地建物取引士となって、新しいキャリアを築いてくださいね。